還付金はいくら戻る?サラリーマン大家の還付シミュレーション
「不動産の赤字で税金が戻る」と聞いても、自分の場合いくらなのかが分からなければ動けません。このページのシミュレーターは、年収と赤字額を入れるだけで、還付の目安を幅(レンジ)で表示します。
幅で出すのには理由があります。正確な還付額は社会保険料や各種控除など個人ごとの数字で変わるため、1つの数字を断言するのは正直ではないからです。ここでは令和8年分の税率・控除に基づき、「このくらいの幅に収まるはず」という誠実な目安を示します。
やりがちな失敗
よくある誤解は、ネットで見た「還付◯十万円!」の例をそのまま自分に当てはめてしまうこと。還付額はあなたの限界税率(課税所得がどの税率帯にあるか)で大きく変わります。同じ赤字100万円でも、税率5%の人と33%の人では戻る額が6倍以上違います。もう一つが、土地のローン利子分まで戻ると見込んでしまう過大見積もりです。
仕組み:赤字 × 限界税率 ≒ 還付の目安
給与から源泉徴収された所得税は、給与だけを前提に計算されています。不動産所得の赤字を損益通算すると課税所得が下がり、下がった分 × あなたの税率(+復興特別所得税2.1%)が還付の目安になります。仕組みの詳細は損益通算の記事で解説しています。
還付金シミュレーター(令和8年分・概算)
- 所得税の還付の目安
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- 令和9年度の住民税の軽減の目安(還付ではありません)
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前提:所得税は令和8年分の税率(国税庁No.2260)・復興特別所得税2.1%(No.2507)と、令和8年度税制改正後の給与所得控除(最低保障額74万円)・基礎控除(最高104万円)で計算しています(国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」)。社会保険料は年収の14〜16%と仮定しており、これが幅の主因です。住民税は所得税とは別の計算で、住民税の基礎控除43万円・所得割の標準税率10%(自治体により異なる場合があります)を用いた令和9年度分の目安です。扶養控除・生命保険料控除などその他の控除、給与収入220万円未満の給与所得の特例による端数差は反映していません。実際の還付は源泉徴収税額が上限です。
幅が出る理由と、狭める方法
幅の主因は社会保険料の仮定です。ご自身の正確な数字は、源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄にあります。SmartPropFactに源泉徴収票をアップロードすると、仮定ではなく実際の数字で再計算されるため、幅は大きく狭まります。
住民税は「戻る」のではなく「翌年度が下がる」
上の2段目は所得税の還付とは性質が違います。損益通算で下がった課税所得は、翌年度の住民税の計算にも使われるため、令和9年度(令和9年6月から)の住民税の税額そのものが下がります。手元に現金が戻ってくるわけではありません。住民税は所得税と控除額が異なり、基礎控除は43万円です。所得割の標準税率は10%ですが、自治体によって異なる場合があります。
土地利子の制限も反映しています
赤字のうち土地取得の借入金利子に相当する部分は、給与と損益通算できません(租税特別措置法41条の4)。上の3つ目の入力欄に金額を入れると、その分を除いて計算します。住民税についても、所得割の課税標準は所得税の計算の例により算定されるため(地方税法32条2項・313条2項)、確定申告で損益通算の対象外とされた土地等の負債利子相当額は住民税でも通算されません。詳しくは損益通算の記事の「戻らないケース」を参照してください。赤字そのものの作られ方は減価償却の記事と経費12項目の記事で確認できます。
損する / 得するサイン
シミュレーターの結果がこうなら、動く価値があるサインです。
- 還付の目安が数万円以上 — 申告の手間を大きく上回ります
- 土地利子を入れたら目安が大きく減った — 物件の建物・土地按分を確認する価値があります
- 目安がほぼ0円なのに赤字が大きい — 課税所得が低いか、土地利子の制限が効いています。数字の中身を確認しましょう
こうすればOK
- 上のシミュレーターで、自分の年収と赤字額の目安を入れてみる。
- 源泉徴収票と物件の書類を手元に集める(幅を狭める材料はこの2つ)。
- 確定申告で損益通算する。過去分も還付申告として5年さかのぼれます。
この記事の根拠(一次情報)
| 内容 | 数値・ルール | 出典 | 時点 |
|---|---|---|---|
| 所得税の税率(課税所得別・7段階) | 5%〜45%+各控除額 | 国税庁 No.2260 | 令和7年4月1日現在 |
| 復興特別所得税 | 基準所得税額の2.1%(〜令和19年分) | 国税庁 No.2507 | 令和7年4月1日現在 |
| 給与所得控除(令和8年分) | 最低保障額74万円(収入220万円以下)〜上限195万円。220万円超は改正なし | 国税庁 令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし | 令和8年4月1日現在 |
| 所得税の基礎控除(令和8年分) | 合計所得に応じ104万/67万/62万円(2,350万円超で逓減) | 国税庁 令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし | 令和8年4月1日現在 |
| 上記改正の適用時期 | 令和8年12月1日施行・令和8年分以後の所得税に適用 | 国税庁 基礎控除の引上げ等について | — |
| 住民税所得割の標準税率 | 標準税率10%(自治体により異なる場合があります) | 総務省 | — |
| 住民税の基礎控除 | 43万円。令和8年度税制改正による変更はなし | 総務省 個人住民税の基礎控除等について | 令和8年5月29日 |
| 土地利子の損益通算制限 | 租税特別措置法41条の4 | e-Gov 租税特別措置法 | 現行 |
源泉徴収票と物件の書類をアップロードすると、仮定なしのあなたの数字で還付額を再計算します。
無料で試算する本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談ではありません。 具体的な判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。(令和8年7月時点の情報です)